診療案内

予防歯科

予防歯科

予防歯科とは、虫歯や歯周病になってから治すのではなく、ならないためのケアをすることです。 痛くなる前に、お口の中の健康を守り、積極的に予防することが、病気の原因から治す方法であり、予防歯科の考え方の原点です。

 

治療が終了しても、その後、虫歯や歯周病になってしまっては意味がありません。 初期の虫歯などは、削らずに経過観察しながら予防していきます。

虫歯や歯周病などの原因はプラークや歯石です

歯の周りに食べカスが残っていると、口の中に住んでいる細菌がそこで繁殖し始めます。そうした細菌の中で、 最も強力なのが、ストレプトコッカス・ミュータンス菌(ミュータンス菌、虫歯菌と呼ばれる) という虫歯の原因となるプラーク(歯垢)のもとになる細菌です。
ミュータンス菌は、食べカスに含まれる糖質と結びついて、デキストランという物質を作ります。その中で、ミュータンス菌は 糖質をえさにして増殖、酸を作り出し「プラーク」となります。プラークはミュータンス菌など 細菌のかたまりの酸です。
酸は歯を溶かすので、虫歯の原因になります。プラークは、自分たちの身を守るためにネバネバした膜をつくって、歯の表面に貼りつき、その中で活動します。これを「バイオフィルム」と呼びますが、イメージとしては「台所のシンクなどのヌメリ」と同じで、専用の器具や、薬剤を使用してしっかりこすらないと落ちません。
このバイオフィルムを除去する方法として、現在最も効果的と考えられているのが、PMTC(セルフケアでは落とすことのできないバイオフィルムを破壊するプロフェッショナルな歯のクリーニング)です。
ご家庭での毎日のブラッシングのほか、定期的なPMTCを受けることが将来の虫歯や歯周病を防ぐことにつながります。 プラークに唾液の中に含まれるカルシウム成分が沈着すると、やがて内側から固まり始め、全体がザラザラした石のようなものに 変わります。これが「歯石」です。
歯石になってしまうと、歯ブラシで取り除くことはむずかしくなります。


◎予防のポイントは、虫歯や歯周病の原因である「プラーク」「歯石」を徹底的に除去することが大切です。


当院の口腔ケア

歯みがき指導

歯に残った食べカスは24時間ほどたつと、プラークに変化し、磨き残しをしやすい部分にプラークがつきます。 歯並びや磨き方の癖による、磨き残しの注意点などをアドバイスいたします。

PMTC(歯のクリーニング)

普段しっかり磨いているつもりでも、歯ブラシで磨きづらい部分や、磨き残しが原因で虫歯や歯周病が進んでしまうことがあります。 PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)とは、歯科医師や歯科衛生士などの専門家が、歯ブラシでは落とせない 歯の表面に付いたバイオフィルム(細菌の膜)や歯の汚れや歯と歯ぐきの間の溝(ポケット)を専門の器械や道具を使用して、歯の隅々 まで徹底したクリーニングを行うことです。
お口の中もさっぱりと気持ちよくなり、毎日の歯ブラシとは違ったツルツル感を実感することができます。歯を削るわけではありませんので、 歯に負担がなく痛みもありません。


(PMTCの手順)

 

1.歯のチェックと歯石除去
歯と歯肉がどんな状態かをチェックし、歯石がある場合は先に取り除きます。


2.クリーニング
特別な器具を使用して、プロのテクニックでくまなくきれいにします。再石灰化を促す研磨剤を使用し、プラークの付着を防ぐことできれいな歯を保ちます。 当院ではその後、歯のトリートメント(リナメルケア)を行います。

 

※歯のトリートメント(リナメルケア)とは、歯と同じ構成成分「ハイドロキシアパ タイト」でできていて、歯の表面に栄養を補給し、歯を美しく、滑らかにし、汚れや虫歯菌を付きにくくします。 また、初期の虫歯を内側から修復します。ゴムのブラシで磨くので痛みもありません。最近、予防歯科で注目されているおすすめのケアです。

3.フッ素塗布
クリーニングが終わった後に、歯全体に虫歯菌に対するバリアとして、濃度の高いフッ素を塗ります。 これで虫歯を予防する効果がさらに高まります。


(PMTCの効果)


①歯肉炎の改善や虫歯を予防します。
②歯質を強化します。
③お茶やコーヒー、タバコのヤニなどの歯の着色を除去します。
④光沢ある歯面に仕上げ、きれいな歯を保ちます。
⑤バイオフィルムが再び付着することを遅らせ、口臭なども防ぎます


【虫歯や歯周病の原因】

 

プラークを放っておくと、発酵して酸を出します。歯の成分になっているカルシウム化合物は、酸に弱いので、少しずつ溶けていき、やがて穴があきます。これが虫歯です。これをそのままにしておくとそこに食べカスが入り込み、さらに虫歯が進行します。また、歯石を放っておくと、歯と歯ぐきとの間にたまり、やがて成長し始め歯と歯ぐきの間を押し広げて隙間ができます。 これを歯周ポケットといいます。
歯石に含まれている細菌によって、歯を支えている歯肉が化膿して、歯周ポケットから血や膿が出てくるようになります。少しずつ歯肉が後退して歯槽骨が溶けていき、歯根が現れます。その部分も細菌に侵され始め、やがて歯が抜け落ちます。これが歯槽膿漏です。
したがって歯石ができたら、歯科医院で早期に取り除いてもらうことが必要です。また、毎日のブラッシングで、プラークが付かないようにすることが大切です。

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健康な歯を維持するためには、歯科医院で定期的に歯の状態をチェックしてもらうことが大切です。歯科医院を受診する目安は、3ヶ月に1回といわれています。 自分でケアしきれない部分もあり、歯石除去などは歯科医院でしかできません。歯科医院で歯の健康状態や普段のホームケアをチェックしてもらいましょう。